「只今日本国籍1000万円也」

認知で取得の改正国籍法成立 偽装には懲役か罰金

「未婚の日本人男性と外国人女性の間に生まれた子を父親が認知すれば国籍を取得できる改正国籍法が5日、参院本会議で自民、公明、民主各党などの賛成多数で可決、成立した。」

これは、裏家業者にとっては格好の法改正ですね。
本当に認知されずに困っている無国籍の人達もいるので、単純に悪法とはいえないけれど、
ザルの目のような抜けがありそうです。

ただでさえ世界中が経済不況で苦しんでいる最中。
唯一ドルより貨幣価値の高い「円」の国、日本の国籍は、
そうとう高価でも欲しがる人達がいるでしょう。

「うその認知で国籍を不正に取得する「偽装認知」を防ぐため虚偽の届け出をした者には1年以下の懲役か20万円以下の罰金を科す規定を新設。」
とありますが、こういったものは形骸化するのが常です。

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街にあふれるホームレスや、リストラで苦しむ人達。
そこに現れる「国籍ブローカー」。

ブローカーは路に座り込む人間の顔を観察しながらゆっくりと歩いている。
手には数枚のクシャクシャの写真を握っている。

国籍ブローカーは、公園のベンチ脇の石の上に腰掛けて、
拾ってきたらしい弁当の残りを食べている痩せた一人の男の前で立ち止まり、
声をかける。
「おい、あんた」

声をかけられた男は、薄汚れた顔を上げる。
「え、あ?はい、なんですか?」
「あんた、独身?」
「ええ、そうですけど」
「歳いくつ?」
「え?えーと、年齢ですよか?確か・・58です」

ブローカーは男の顔をまじまじと観察している。
「あー、ちょうどいいね」
「え?」
ポケットから茶封筒を出す。
それを相手に渡す。

「なんですか、これ?」
「中見てみ。50万入ってるよ」
「え?」
痩せた男はカサカサと茶封筒を覗き込む。
「あ・・・・ホントだ」
ブローカーは、茶封筒を男から取り上げる。

「で、あんた、自分の血液型しってるかい?」
「え?け、血液型ですか?えー、えー、たぶんB型ですけど・・」
「おー、B型ね。間違いないかい?」
「ええ・・・たぶん・・・」

「あんたさ、昔、風俗で外国のネーチャン抱いたことあんだろ?」
「あ、え?あったかなそんな事、わからないです」
「あんだろうよっ!思い出せよまったく」
「え・・・えっと・・・」
「日本人とたいして変わんないからな、そのネーチャンの顔つき、
でな、そのオンナがあんたの子供産んだんだよ」
と言って、ブローカーが写真の1枚を痩せた男に渡す。
「これがよ、その時の子供だ」
「ほ、ホントですか・・?」

痩せた男は写真をじっと見つめる。
そこには20代位の若く痩せた男の顔があった。
似ている・・どことなく、自分に似ている・・。

ブローカーはそれを見下ろしながら、男に声をかける
「まあいいや、でな、どうするよ。あんたの子供、日本に来たいんだってよ」

「え・・・、そんな・・・。・・急にそんな事言われても、私今住むところもないですし・・・」
「あー、そうだろうね。大変だもんな、不況でよ。政治がろくでもねーからな。
だからさ、一応安アパートだけど、用意してあるからさ、俺のほうでよ。
半年家賃ただでいいや。だから引き取ってやってくれねーかな、あんたの子供。」
「え・・?」
「ハハ。いやね。俺も知り合いにね、どうしてもそいつの父親捜してくれってさ、
頼まれてたんだよ。あんた見つけるの苦労したんだぜ、まったく。」
「・・・・」
「まあ、しばらく大変だろうからよ、これ取っといてくれ」
と言って、50万の入った茶封筒を、再び痩せた男に渡す。
「でも、これ・・・。こんな・・・」

「いいんだいいんだ、とっとけとっとけ。
あんたが受け取ってくれれば俺の顔もたつんだからよ。
で、いいよな。自分の子、認知するだろ?え?」
「でも・・・」
「でもじゃねーよ。てめー。
まあ、50万は当初の金だ。認知さえすりゃあ、後300万出すよ。
そりゃあ、いきなり自分に子供ったって、あんたも驚くだろうしなあ。
生活だって苦しいだろ。だからさ、俺が住むところも用意してやるって。
それによ、その子だって、父親いなくて、可愛そうじゃねーか。な。
俺も知り合いに頼まれて困ってたんだ。まー、ボランチアだなボランティア。
金はその知り合いがよ、まあ、心ばっかりだけどって事でな、出してるんだから
心配スンナよ。
それにその子供だって、トーチャンに会えば安心して、すぐ一人だちして出てくから。
たまに会って飯でも食ってやればいいんだ。
あんたこのまま死んだって、線香あげてくれる身内もいないんじゃあねえのか?
な、悪い話じゃねえだろう。
なあに、認知申請の手続きは手伝ってやるって。
最近は役所もいいかげんだからさ、厳しく言われることもねーし、
こっちにはちゃんとした弁護士先生もついてるからよ。とにかくこんなところでそんな
残飯くってねーで、今から風呂でも入ってさっぱりして、うちの事務所ってか、会社に
一緒に来いよ。な。来るよな」
「え・・・はい・・・」

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っていうような光景が繰り広げられないことを祈るばかりです。
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by gqgweb | 2008-12-05 12:15 | ■日常感想